貯水槽から直結給水方式に切り替えるべきなの?
  1. 貯水槽から直結給水方式に切り替えるべき?メリット・デメリットを解説

貯水槽から直結給水方式に
切り替えたほうがいいの?
そのメリットデメリットを紹介!

直結給水方式とは?

直結給水方式とは?
出典:東京都水道局

建物に水を供給する方法には貯水槽水道方式のほかに「直結給水方式」があります。これは水道管を通って来た水を一度水槽に溜めるのではなく、そのまま各戸の蛇口まで届ける方式です。

直結給水方式には水圧だけで給水する「直圧直結給水方式」と、水圧の不足を増圧ポンプによって賄うことで中高層階まで給水する「増圧直結給水方式」があります。3階までの建物には「直圧直結給水方式」、4階以上の建物には「増圧直結給水方式」が採用されますが、4階以上の建物でも水圧が強く直接給水できる場合には、増圧給水設備の設置を留保しながら特例として直圧で給水する「特例直圧給水方式」が採用されることもあります。さらに中高層ビルに採用される増圧直結給水方式については、増圧ポンプの設置方法によって「標準型」「直列多段型」「並列型」などの種類があります。

これらの給水方式には、建物の敷地の広さや階層、マンションやアパートであれば世帯数によってそれぞれ採用の制限がありますが、どの方式を選択するかはそれらをクリアした選択肢の中から最終的に建物のオーナーが決めることになります。

直結給水方式のメリット・デメリット

まず直結給水方式と貯水槽給水方式のどちらを選ぶかについては特に制約はありません。都や市町村の水道局は直結給水方式を推奨していますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。それらを踏まえた上で好ましいと思える方を選ぶことになりますが、ここでは直結給水方式のメリットとデメリットを見てみましょう。

直結給水方式のメリット

・貯水タンク(受水槽・高置水槽)がないため点検・清掃・補修などの維持管理費が不要

・受水槽を置いていたスペースを有効活用することができる

・水道管を通って浄水場から届いた水をそのまますぐに利用できる

直結給水方式のデメリット

・水道管や配水管などの事故が起こると貯水機能がないため長時間の断水が起こる

・直圧直結式の場合、渇水対策などで水圧が制限されると十分な水の供給が不可能になる

・多量の水を使用する建物では利用できない場合がある

・増圧直結式の場合、増圧ポンプの電気代および稼働音がかなりある

・増圧直結式の場合、増圧ポンプの消耗が激しく故障頻度が高い

直結給水方式へ切り替える場合の手続き

直結給水方式へ切り替える場合の手続き

現在、貯水槽給水方式を採用している建物を直結給水方式に切り替えたいという場合に必要な手続きについて、順を追って見てみましょう。

①貯水槽給水方式の装廃工事と直結給水方式の新設工事について水道局から承認をもらう

※水道局への事前協議申請を行う必要がある場合あり

②水道管の圧力測定結果に基づいて流量計算書を作成してもらう

③流量計算書に基づいて工事費用の見積を出してもらう

④水道局に水質検査・耐圧検査の依頼をする

⑤工事申請の申し込みを行って工事開始

⑥工事が完了したら施行写真・竣工図・竣工関係図書と共に竣工届けを提出

⑦水道局から竣工検査を受ける

水道水の利用状況や建物の種類、施設の性格などによって、建物が直結給水方式の対象にならない場合もあります。まずは水道局に相談してみて、切替えが可能かどうかを確認してみましょう。

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