貯水槽の点検って法律で決まってるの?
  1. 貯水槽の点検は法律で決まっている?内容や費用を紹介

貯水槽の点検の内容や費用について紹介!

簡易専用水道の管理とは?

簡易専用水道の管理とは?

簡易専用水道とは、「都または市町村などの水道から供給される水だけを水源として、その水をいったん受水槽にためてから給水する水道のうち、受水槽の有効容量の合計が10m3を超えるもの」(東京都福祉保険局発行「簡易専用水道の衛生管理」より抜粋)のことです。また、飲み水として一切使用されない工場などの水道や、井戸水を汲み上げて受水槽にためて使用している場合についてはこれに該当しません。

この簡易専用水道の管理については、水道法により以下のように定められています。

①厚生労働大臣の登録を受けた検査機関による検査を受ける(年に1回)

水槽の設置者または管理者は、水槽等の外観検査・書類検査・水質のチェックを受けたのち、検査結果を保健所に報告する義務があります。

②衛生的な管理を行う

受水槽・高置水槽など給水タンクの清掃を1年に1度は必ず行い、また水の汚染を防ぐために水槽の点検を定期的に行わなければなりません。さらに週1回は残留塩素の測定を行い、年1回は水道法水質基準を満たしているかどうかを測る水質検査を行うこと、毎日水の状態(にごり・におい・味など)をチェックすることが推奨されています。

定期点検は水道法により定められている

簡易専用水道の定期点検に関して、水道法では以下のように定められています。

第34条の2(条文)

1. 簡易専用水道の設置者は、厚生労働省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければならない。

2. 簡易専用水道の設置者は、当該簡易専用水道の管理について、厚生労働省令の定めるところにより、定期に、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない。

第55条(管理基準)

法第三十四条の二第一項に規定する厚生労働省令で定める基準は、次の各号に掲げるものとする。

一 水槽の掃除を一年以内ごとに一回、定期に、行うこと。

二 水槽の点検等有害物、汚水等によって水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講ずること。

三 給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準に関する省令の表の上欄に掲げる事項のうち必要なものについて検査を行うこと。

四 供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときには、直ちに給水を停止し、かつ、その水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講ずること。

第56条(検査)

1. 法第三十四条の二第二項の規定による検査は、一年以内ごとに一回とする。

2. 検査の方法その他必要な事項については、厚生労働大臣が定めるところによるものとする。

簡易専用水道を設置しているにも関わらず、上記のように水道法で定められている内容に従って適切な管理を行わなかった場合は、罰則が適用されることがあります。飲用水はそれを飲む人の健康に関わるものなので、やはりその衛生状態の管理に関わる立場にいる人はそれ相応の責任を持って管理を行わなければならないということですね。

検査の内容と費用相場は?

簡易専用水道の検査には費用がかかります。詳細な内容と点検にかかる費用相場について見てみましょう。まず年1回受けなければならない法令検査の内容以下の通りです。

①受水槽、高置水槽などの貯水タンクとその周辺状況の検査

②給水栓の水の臭気・味・色・色度・濁度・残留塩素の有無に関する水質検査

③受水槽、高置水槽などの貯水タンクの清掃の記録状況を検査

検査費用目安は以下の通りで、水槽の大きさによってかかる費用が異なります。

水槽の容量 費用目安
〜5トン 4〜6万円
〜10トン 4〜7万円
〜15トン 5〜8万円
〜20トン 6〜9万円

※それぞれ水質検査費が+1万円かかります。

法令検査にかかる料金はだいたいこのくらいですが、この検査で清掃状況も確認されますので、定期的に清掃を行っておくための費用も確実にかかることを管理費の予算として入れておかなければなりませんね。清掃や点検を怠った場合、仮に罰則から免れることができたとしても、それによって建物の居住者の健康被害が出たときのことを考えると、その法的および倫理的責任、そしてそれらから受ける精神的・物理的ダメージは測り知れません。そのことを肝に銘じて、清掃および点検は必ず行うようにしましょう。

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