貯水槽に対して住人が気になっていることとは?
  1. 貯水槽に対してマンション・アパートの住人が気になっていることとは?

マンションの住人は
貯水槽のことを気にしている?

貯水槽の衛生状況、気になりだすと止まらない?

貯水槽の衛生状況、気になりだすと止まらない?

さて、マンションやアパートを管理する側からすると、貯水槽管理に関する法的な基準をクリアすることにばかり頭が行きがちですが、その管理方法において住人の立場に立って考えてみるというのはとても大切です。

毎日おいしい水を飲み、突然の断水などの水のトラブルにも遭ったことがなければ、貯水槽の存在にさえ気づかないという人もいるでしょう。しかしある日貯水槽点検・清掃のための断水のお知らせが届いたり、蛇口をひねると水が濁っていた、水の出が悪くなった、といったような出来事が起こったりしたとき、突如として「貯水槽の管理ってそういえばどうなっているんだろう」と気になり始める人も多いようです。

そして一度気になり始めると一気に不安になるのが人の常。「水ラボ〜水とくらしの研究所〜」の調査によると、貯水タンクの衛生状況について「日ごろから不安に思っている」「時々、不安に思ったことがある」という人の数は約半数以上、「言われてみれば不安だ」を加えるとその数は実に8割を超えます。

住民が不安に感じているのはどんなこと?

住民が不安に感じているのはどんなこと?

では住民は貯水槽に関してどんなことを不安に思っているのでしょうか。同じく「水ラボ〜水とくらしの研究所〜」の調査結果を見てみると、1位は「動物や虫の侵入」。貯水槽に猫や鳥の死骸が入っていた、ゴキブリが入り込んでいた、といったニュースを見たりすると、それはそれは不安になりますよね。2位は「雑菌・カビ」です。湿度の高い貯水タンクは細菌でいっぱいなんじゃないのか・・・と想像をめぐらし始めると、恐らくその考えから離れられなくなり、水を飲むのが怖くなる人もいるかもしれません。そして3位は「カビ」。断水明けに蛇口をひねると赤茶けた水が出た、といった経験がある人は多いと思いますが、それをきっかけに「今まで私たちは気づかずにサビを飲んでしまっていたのでは」と考え出す人がいても不思議はありません。

こうした不安はすべて、清掃の内容や時期などに関する知識がないことによって起こります。東日本大震災後の水に関する実際の被害状況と風評被害が巻き起こした社会不安を考えると、こうしたことで不安に思う住民たちの気持ちは、あっという間に雪だるま式に大きくなっていく可能性もあります。本来、貯水槽をきちんと管理していれば衛生的な不安を抱く必要は一切ないのです。

不安解消には情報の共有が一番

その貯水槽を通った水を飲む人たちの不安を解消するために管理者としてやるべきことは、まず点検・清掃をしっかり行うこと。これは大前提ですが、もう1つ重要かつ有効なのはそれを住民に周知することです。

そもそも貯水槽について、住民の多くはその仕組みをよく知りません。専門的な内容を詳しく報告した文書を配布したところで読まずに捨てる人がほとんどでしょう。重要なのは、きちんと管理しているということをわかってもらうための信頼関係を築くこと。上記で紹介した調査結果でも「管理組合がキチッとしている」という印象を持っている人や「役員が飲み水のチェックをしている」のを見たことがある人は、飲み水に関して不安を抱いていないという傾向が見られました。

「貯水槽の清掃・点検を○月○日に行います」といったお知らせをする、そして点検結果を貼り出すなど、情報の共有をしっかり行うことで住民の不安は確実に軽減されると思います。また、貯水槽の仕組みや管理状況について知りたい人、飲み水に不安を抱いている人の相談窓口を設けたりしてもいいかもしれませんね。

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